昆虫食とは、名前のとおり昆虫を食べることです。
昆虫は、マイナーな食材と思われがちですが、実は昔から世界中で食べられてきた伝統食でもあります。
あの見た目からネガティブなイメージがついている昆虫食ですが、栄養価が豊富だったり丸ごと食べられたりと、意外にもメリットが多い食材です。
最近では昆虫食の魅力が改めて知られるようになり、専門店やオンラインショップでは気軽に昆虫食を購入できるようになりました。
しかし、昆虫食を試すときに気になるのが、おすすめの食用昆虫や、食べるときの注意点です。
そこで本サイトでは、昆虫食としてよく食べられている虫や、昆虫を食べるときの注意点などを分かりやすく解説していきます。
本サイトをひととおり読めば、安心して楽しく昆虫食にトライできるようになるでしょう。
世界で食べられている7種類の昆虫食
一口に「昆虫食」といっても、昆虫にはさまざまな種類が存在します。
食べるのに向いている虫もいれば、向いていない虫も存在するので、昆虫食では事前に知識を深めることが大切です。
世界では、どのような昆虫食が食べられているのでしょうか。
ここでは、世界で食べられている7種類の昆虫を紹介していきます。
タランチュラ
タランチュラは、主に世界の熱帯・亜熱帯地域に生息する毒グモです。
体が毛でびっしりと覆われていて、8本の太い脚が生えています。
毒グモで見た目も恐ろしいタランチュラですが、実は食べられる昆虫として有名です。
特にカンボジアの一部では、タランチュラを食べる文化が根付いています。
気になる調理方法ですが、最も一般的な食べ方は「から揚げ」です。
足はパリパリ、肉感がある頭部や腹部はフライドチキンのような味といわれることもあります。
食用タランチュラについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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ワーム
ワームとは、虫の幼虫です。
虫の幼虫は成虫よりも採取しやすく、身もしっかりあることから、世界でもさまざまな地域で食べられています。
ワームの中でもよく食べられるのが下記の種類です。
- 蚕
- サゴワーム(サゴゾウムシの幼虫)
- バンブーワーム(蛾の幼虫)
- スーパーワーム(ゴミムダシダマシ科の幼虫)
- ミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)
上記の例をみても分かるように、食べられるワームには、さまざまな種類があります。
ワームによって見た目や味、食感が違うので、専門店で各ワームを比較してみてはいかがでしょうか。
バッタ
日本ではよく見かけるバッタも、食用昆虫として人気です。
バッタには、トノサマバッタやコバネイナゴ、クルマバッタなど多くの種類が存在しますが、火を通せばどの種類でも食べられます。
日本では主に佃煮にされて食べられている「イナゴ」も、バッタの1種です。
日本人にとっても馴染み深い昆虫なので、初めて昆虫食を試す方でもトライしやすいかもしれません。
佃煮や天ぷら、素揚げなど、さまざまな食べ方で楽しめます。
食用バッタについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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サソリ
サソリは、大きなハサミを持ち、尾には強力な毒針を持っている昆虫です。
見た目が怖く、毒のイメージの強いサソリですが、調理すれば安心して食べられます。
海外では古くから料理だけではなく、漢方にも利用されてきました。
食べられるサソリとして有名なのは、大型の「チャグロサソリ」と、日本にも生息している「キョクトウサソリ」の2種類です。
丸ごと揚げたサソリは、鋭利なハサミと針も食べられます。
体は殻に覆われていますが、固すぎるわけではないので、バリボリとした食感が楽しめるでしょう。
食用サソリについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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コオロギ
日本ではよく見かける昆虫のコオロギも、食用として世界中で食べられています。
専門店やオンラインショップでも、気軽に買える昆虫食です。
よく食べられている種類は、
- ヨーロッパイエコオロギ
- タイワンオオコオロギ
- ジャマイカフィールドコオロギ
などが挙げられます。
コオロギは身も柔らかく、味も淡泊でクセがないので、初めての昆虫食にもおすすめです。
調理済みコオロギは値段も比較的お手頃なので、気軽にトライできます。
食用コオロギについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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タガメ
タガメは日本最大の水生昆虫で、迫力ある見た目をしています。
かつては、日本の田んぼや池でもよく見かけました。
タガメも、調理をすればおいしく食べられます。
海外ではタイを中心とした東南アジアでよく食べられていて、食用として人気が高い種類は「タイワンタガメ」です。
味はコクがあり、独特な香りがするので、香料や調味料としても利用されています。
サイズが大きいので食べ応えがあり、栄養も豊富です。
昆虫食で独特な風味を楽しみたい人は、タガメを試してみてはいかがでしょうか。
食用タガメについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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カブトムシ
日本では子どもに人気の高いカブトムシですが、食用として食べることもできます。
東南アジアやラテンアメリカなど海外の一部地域では、肉や魚の代用品としてカブトムシを食べる文化もあったようです。
日本でカブトムシが食材として認識され始めたのは最近ですが、現在はマニアックな居酒屋や専門店でも、食用カブトムシが提供されています。
他の昆虫食と比べると殻が固めで、噛めば噛むほど深い味わいを感じられるので、食感を楽しみたい方におすすめです。
主に天ぷらやフライにして食べられています。
食用カブトムシについては以下の記事で詳細にご説明していますので、是非ご覧ください。
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昆虫食の3つのメリット
見た目が苦手な人も多い昆虫食ですが、他の食材もある中で、わざわざ昆虫を食べるメリットはあるのでしょうか。
ここでは、知っておきたい昆虫食の3つのメリットを紹介していきます。
栄養価が高い
昆虫は、栄養価が高い食べものとして注目を集めています。
昆虫も動物の1種なので、生きていくには多くの栄養を摂取し、蓄えなければなりません。
この蓄えられた栄養を、昆虫食では丸ごと摂取できます。
昆虫に多く含まれている栄養素の1つは三大栄養素の「たんぱく質」です。
たんぱく質には、筋肉を作ったり肌や髪を丈夫に保ったりと、さまざまな役割があります。
昆虫食では、他にも
- 必須アミノ酸
- 鉄分
- ビタミン
など、さまざまな栄養素が含まれています。健康食にも向いている食材といえるでしょう。
丸ごと食べられる
ほとんどの昆虫食では、小魚のように丸ごと食べられるのもメリットの1つです。
丸ごと食べることで、効率的に栄養を摂取できます。
たとえば牛や豚の持つ栄養をすべて摂取したいと考えた場合、肉の部分だけではなく、骨や内臓なども全て食べなければなりません。
しかし、牛や豚を丸ごと食べるのは困難です。
一方、昆虫であれば内蔵や血液もすべて丸ごと食べられるので、栄養の食べ逃しがありません。
昆虫が生命を維持していくために必要な栄養をすべて摂取できるので、完全食ともいわれています。
食糧難にも有効
現在、世界の人口は増え続けています。
2050年には世界人口が100億人に近づくともいわれており、人口が増えることで課題になるのが、世界の食糧難です。
このような人口増加による食糧難で、昆虫食が注目されています。
昆虫食は、栄養が豊富で収穫までの日数が早いのがメリットです。
絶滅が危惧されることも少ないので、昆虫食は食糧難に有効といわれています。
未来の世界では、昆虫食がメジャーな食材になっているかもしれません。
昆虫食の注意点
メリットも多く、注目が集まっている昆虫食ですが、食べるときには注意するべきポイントもあります。
昆虫食の3つの注意点を確認しておきましょう。
生で食べない
昆虫は食中毒を起こすような細菌や、人に寄生する寄生虫を持っている可能性が非常に高いので、生で食べてはいけません。
世界中でよく食べられている昆虫や、生で食べられるといわれている虫であっても、生で食べるのは避けたほうが安心です。
昆虫を食べるときは、調理済みの昆虫を食べるか、しっかりと火を通して食べるようにしましょう。
アレルギーに注意
昆虫も、他の食べ物と同じように、人によってはアレルギーを起こす可能性があります。
特に気をつけなければいけないのが「甲殻類アレルギー」です。
多くの昆虫はカニやエビと同じような物質をもっているので、カニやエビのアレルギーを持っている方は、昆虫食でもアレルギーを起こす可能性が高いといえます。
プレゼントやサプライズとして昆虫食を食べさせる機会もあるかもしれませんが、その人がアレルギーを持っていないか確認しておくことが大切です。
メジャーな昆虫を食べる
一口に「昆虫食」といっても、世界には数えきれないほどの昆虫が存在します。
昆虫であればどの種類でも食べられると考える方もいますが、そんなことはありません。
昆虫によっては、火を通しても人体に悪影響を及ぼす種類も存在するので、食べる昆虫は慎重に選ぶ必要があります。
昆虫食をトライしてみたい方は、すでに調理済みの食用として販売されている昆虫や、世界でも一般的に食べられている昆虫を食べるようにしましょう。